ロボット
人間そっくり!不気味の谷を乗り越えたアンドロイド・アスナ

「不気味の谷」という言葉をご存じでしょうか?ホラー映画のタイトルっぽく聞こえますが、ロボット工学で使われている言葉です。
「ロボットがより人間に近づいていくほど、人は好意や親近感を覚える。しかし、ある時点で突然強い嫌悪感を覚える」というものです。
言葉だけでは伝わり難いですが、下記の動画をご覧になれば分かると思います。
掃除用ロボット「ルンバ」やホンダの「ASIMO」と比べれば、遥かに人間らしい容姿をしています。なのに、それが気味悪くて恐ろしい、これが不気味の谷です。
見た目は人間なのに、動きがロボットという矛盾に、脳が違和感を覚えてしまうのが原因なのだそうです。
これは、ロボット開発だけでなく、精密な3DCGモデルを使う映画やゲームの業界でも、大きな問題として盛んに研究が行われています。
谷を超えた機械少女
さて、グラフを見ると分りますが、好感度は不気味の谷によって一度大きく下がりますが、再び急上昇を始めます。
「容姿も動きも完全に人間と同じ」までいくと、違和感なく人間に対するのと同じ好感を抱くためです。
これを「不気味の谷を越える」と言って、大勢の研究者達がそこに至るロボットの開発に勤しんできました。
そして近年、ついにその谷を越えるロボットが誕生しました。株式会社「エーラボ」製のアンドロイド「アスナ」です。
鼓動を感じるロボット
「えっ、本当にロボットなの!?」と驚くほど精巧なアスナ。彼女の凄い所は、容姿だけでなく動きもとても滑らかな事です。
まばたきや唇の開閉、少し首を傾げる仕草など、どれも人間にしか見えません。
まだ首から上しか作られていないため、ボディーの方は残念な仕上がりですが、体の方までこのクオリティーで作られていたら、真横に立っていてもロボットとは気付かないでしょう。
美人すぎるのはNG
これほど見事なアンドロイドを作り上げた会社エーラボですが、アスナに会うまでもなく、その技術力を皆さんは既に知っている事でしょう。
そう、あのマツコ・デラックスを模したアンドロイド『マツコロイド』の開発を担当したのもエーラボだったのです。
マツコ本人と全く変わらない、そっくりなアンドロイドを作れるほどの技術があったからこそ、アスナも作れたのですね。
ちなみにアスナは、マツコロイドのようなジェミノイド(実在の人間を元にしたロボット)とは違い、複数の顔写真からパーツを集めて作ったモンタージュなのだそうです。
それをここまで人間らしく仕上げたコツは、「本物の人間同様、左右非対称にする事」と「注意を引かないよう、極端な美人にしない事」なのだとか。
仕事や趣味で3DCGのモデリングをしている方などは、思い当たる節があるのではないでしょうか。とはいえ、アスナは十分「美少女」だと思いますが。
まとめ
人工知能の方はまだまだ時間が掛かりそうですが、見た目や動きに関しては、ロボットはもう人間に追いついたようです。
アスナのようなアンドロイドが、アイドルとしてデビューしたり、貴方の家族として訪れる。そんな十数年前なら夢と笑われていた日も、そう遠くない内に訪れるのかもしれませんね。
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