SNSアプリ「LINE」は今や登録ユーザー数が2億3000万人を超え、日本ではスマホユーザーの約9割が利用している、ほとんど標準アプリと化しています。

出典：blog.btrax.com/

そんな大人気のLINEですが、使う者が増えればそれだけ問題も出てきます。特に小中学生によるLINEを使ったいじめが急増しており、保護者や教師陣を悩ませているのです。

LINEのいじめ事件

LINEを使ったいじめ事件で元も有名なのは、2013年の熊本県で起きた女子生徒の自殺問題でしょう。

同級生からLINEを使って脅迫や侮蔑といった精神的な苦痛を受け、教職員達はそれを知りながらも適切な対応を取らなかったために、その女生徒が実家で自殺したという痛ましい事件です。

⇒ＬＩＮＥいじめ、熊本県と同級生を提訴　自殺生徒遺族ら｜朝日新聞DIGITAL

これ以外にも1人だけグループから外して影で悪口を言ったり、メッセージを無視したりといったいじめが多発しています。

⇒「外し」「既読スルー」…深刻な〝ＬＩＮＥいじめ〟の実態｜産経WEST

ただ、これらいじめ事件の多くは、LINEという道具が使われただけで、『LINEがあったからいじめが起きた』というわけではありません。LINEがなければなかったで、陰で悪口を言ったり、物を隠したりといった従来からのいじめが起きていた事でしょう。

しかし、LINEが原因で起きるいじめ事件も確かにあるのです。

LINEいじめが起きる原因

LINEいじめに発展するきっかけとして、「既読をスルーされたせい」という事が多いようです。

LINEはメッセージを読むと「既読」と表示されますが、その「既読」をつけた状態で返信しないと、無視されたと思われてしまいます。実際には返信する暇がなかった等、ちゃんと理由があったとしても、相手からすれば「無視された、酷い」と不安感や不快感を抱き、その仕返しとしていじめに発展してしまうのです。

また、「LINEの閉鎖性」がいじめを起こす問題としてあげられます。

例えば通常のネット掲示板だと、外部から不特定多数の人間が観覧できるし、書き込みのログを取っておく事もできるため、罵詈雑言を吐けばそれが証拠として残るし、Google検索などからも容易に気づけます。

しかし、LINEは友達登録され、グループに招待された人しかトークを見られないという、とても閉鎖された環境なのです。そのため、いじめが起きても親や教師といった外部の人間に分かりづらいのです。

また、トークをまるごと削除されてしまうと、証拠も残りません。

LINEいじめの対策

これらLINEいじめに対する有効な対策は、正直に言うとありません。

はるか昔からいじめ問題は発覚しているのに、いまだ有効な対策が打てていないくらいですから、とにかく保護者が子供の事を気にかけて、いじめを早期に発見し、学校側に訴えて解決を模索し、無理なら転校をして環境を変えるといった方法を取るしかありません。

また、LINEを悪用したいじめを受ける、またいじめを行っているようなら、子供に憎まれてもスマホを取り上げるくらいの気概も、時には必要でしょう。

まとめ

LINEがあろうとなかろうと、いじめ問題はそう簡単にはなくなりません。

とにかく保護者が子供の味方となって、粘り強く取り組んでいきましょう。