料金の安さからシェアを伸ばしている格安SIM（MVNO）ですが、不満を抱いて大手キャリアに戻る方も少なくありません。そんな戻る理由の多くが「通信速度が遅く、安定性に欠ける」というものです。

格安SIMは大手キャリアから余った回線を借りて営業しているため、どうしても速度が不安定になりがちなのです。とはいえ、全ての格安SIMが不安定というわけでもありません。

そこで、大手キャリアに戻らずとも済むような、速度が安定している格安SIMをご紹介致します。

通信速度比較その１

ではまず、どのサービスが速いのか速度の比較をご覧ください。

2017年5月・熊本県熊本市（下り速度、単位はMbps）

参考：アンドロイドラバー

圧倒的に「LINEモバイル」と「U-mobile S」が速いという結果になりました。

平均20Mbpsという数値は大手キャリア並で、動画やゲームもストレスなく楽しめます。

また、この2つほどではありませんが、混雑時の12時でも5Mbpsが出ている「UQ mobile」も悪くありません。

通信速度比較その２

ただ、通信速度は計測場所や時期によっても大きく異なります。

そこで、もう1つのデータも見てみましょう。

2017年3月・東京都千代田区（下り速度、単位はMbps）

参考：ITmeda Movile

こちらの測定では「Y!mobile」がダントツの1位となっています。東京という利用者が多い土地柄のためか、「LINEモバイル」の速度が少し落ちていますが、それでも問題ないレベルをキープしているようです。

逆に「FREETEL SIM」がこちらの測定では良い結果を出しています。また、パナソニックが提供している「Wonderlink（LTE F）」も、混雑時になかなか良い速度が出ています。

おすすめ格安SIM紹介

それでは2つの測定結果の中から、特に通信速度が安定している3つの格安SIMについて、より詳しくご紹介させて頂きます。

LINEモバイル

人気SNSアプリ「LINE」が提供する格安SIMで、特徴としてLINEなど一部アプリのデータ通信利用料が対象外となる「カウントフリー機能」があります。

例えば「LINEフリープラン（月の容量1GB）」の場合、LINEがカウントフリー対象となっているため、LINEのトークや無料通話をいくら行っても、1GBの容量が減らないのです。

また、1GBを使い切って低速になっている時も、LINEの利用時だけは高速通信となります。つまりLINEを好きなだけ利用できるのです。

容量が3～10GBの「コミュニケーションフリープラン」ではLINEに加えて「Twitter」「Facebook」「Instagram」もカウントフリー対象となっているので、SNSを多用する方には特におすすめです。

U-mobile S

2017年3月22日より開始された、ソフトバンク回線の格安SIMです。開始したばかりで利用者が少ない事もあってか、通信速度がとても速いのが特徴です。

ただし、対応端末がAppleのiPhoneとiPadのみであり、提供しているのがデータ専用SIMだけで、音声通話やSMSが使えません。

昔ソフトバンクで購入したSIMロックが掛かったiPhoneを、データ専用の予備機として利用したい方向けという、かなり限定された使い道しかありません。

また、30GBプランは安いのですが、1～7GBプランの料金が高めです。色々と注意点が多いので、初めて格安SIMを使おうという方にはおすすめ致しかねます。

Y!mobile

正確にはMVNO（仮想移動体通信事業者）ではなく、独自回線を持ったMNO（ 移動体通信事業者）であり、ソフトバンクの別ブランドにあたります。

そのため、契約に大手キャリアと同じ2年縛りがあり、2年に1度の更新月以外で解約すると、契約解除料9,500円が掛かるので注意が必要です。

また、料金は最初の1年こそ安いものの、2年目から1,000円上がったり、2年間でデータ通信容量2倍のキャンペーンが切れるので、3年目以降は容量が減ったりなど、料金体系のややこしさも目につきます。

ただ、通信速度の安定性は確かであり、どのプランでも10分以内の国内通話が何度でも無料になるなど、格安SIMでは弱点になりがちな部分がカバーされています。

料金などを含め、大手キャリアと格安SIMの中間といった感じのサービスです。

まとめ

通信速度だけでなく、料金やカウントフリー機能なども考慮すると「LINEモバイル」が1番おすすめです。

料金や2年縛りを気にしないのでしたら、「Y!mobile」が大手キャリアに近い感覚で使えるので、こちらもおすすめ致します。