2016年から「ランサムウェア（身代金要求型ウイルス）」による被害が増大しています。

トレンドマイクロの調査によれば、2016年は前年の10倍近い65,400台からランサムウェアが検出されたそうです。

出典：safe.trendmicro.jp

個人だけでなく会社組織にも被害が広まっており、我々も他人事ではありません。

そんな危険なランサムウェアですが「iPhoneには感染しない」との噂がまことしやかに囁かれています。

はたして、それは本当なのでしょうか？

ランサムウェアとは？

そもそも、ランサムウェアとはどんな物かというとコンピューターウィルスの一種で、感染した端末のファイルを勝手に暗号化して使えなくしてしまいます。

その上で、暗号化を解いて欲しければお金を払えと、データを人質に身代金を要求してくるのです。

出典：safe.trendmicro.jp/

個人が感染した場合、要求される金額は数千円程度とあまり高くはないようです。

ただ、重要な顧客データなどを抱えた大企業の場合は、何百万円もの身代金を要求されるケースもあったようです。

一度暗号化されるとツールなどによる解析や復旧も難しく、泣き寝入りして身代金を支払ってしまった個人や企業も少なくありません。

iPhoneは感染しない？

そんな危ないランサムウェアですが、iPhoneには感染しないと噂されています。

しかしそれは誤りで、iPhoneやMacといったApple製品でも感染報告が上がっています。

ランサムウェアによるハッキング、報道ではwindowsしか報告されていませんが、iPhone/Macでも発生しています。写真のように突然遠隔ロックがかかり、iCloudメールに解除するためには振込しろとメールが届くとのこと。すでに米国ではCommunitiesで話題になってます。 pic.twitter.com/H6auFGk7Jk

— SHOTT (@SHOTT2012) 2017年5月15日

ただ、AndroidスマホやWindows PCに比べると、iPhoneが感染する危険性は限りなく低いのです。それは何故かというと、iPhoneのセキュリティがとても強固だからです。

まず、スマホがランサムウェアに感染する経路として、危険性が高いのはアプリをインストールする時です。悪意のある提供者により、アプリの中にランサムウェアが仕込まれているかもしれないからです

しかし、iPhoneの場合はアプリを提供している「App Store」の審査が厳しいため、ランサムウェアが仕込まれているような危険アプリは全て排除されるため、ユーザーは安心して使えます。

対するAndroidスマホの場合、公式ストア「Google Play」のアプリ登録が簡単なため、ランサムウェアのような悪意あるウィルスが仕込まれている危険性が高いのです。

とはいえ、ランサムウェアの感染経路はアプリだけではありません。怪しいメールの添付ファイル、悪質なWEBサイトからも感染する危険性があります。

iPhoneのiOSは「サンドボックス構造」等によって高いセキュリティを誇るので、そう簡単には感染しないのですが、それでも危険性をゼロにはできません。そのため、ランサムウェアに感染してしまったケースが、稀にですが報告されているのです。

ランサムウェアへの対策

iPhoneの高いセキュリティー機能があれば、普通に使っている限りランサムウェアの被害を受ける事はほぼありません

ですが、より安全性を高めるために、下記の対策を取っておくと良いでしょう。

• 怪しいメール、Webサイトを開かない
• データのバックアップを用意しておく

怪しいメール、Webサイトを開かない

ウィルス対策の基本は「君子危うきに近寄らず」でして、怪しいメールは読まず、危険そうな違法サイトは開かない事です。

特にランサムウェアは感染すると対処が困難なので、感染しないように気をつける事が重要です。

データのバックアップを用意しておく

ランサムウェアは感染した端末のファイルを暗号化してしまいます。ですから、その端末以外の所にファイルをバックアップしておけば、被害を抑えられるのです。

ただ、ランサムウェアは感染した端末だけでなく、それと繋がったクラウドストレージまで暗号化してしまう事もあるそうです。iPhoneの場合でいえば、「iCloud」まで暗号化されてしまうのです。

なので、PCやSDカードなど外部の記憶装置にバックアップを取っておくようにしましょう。

まとめ

そうそう変な事をしない限り、iPhoneがランサムウェアに感染する事はありません。ですが念のため、バックアップはこまめに取っておくと良いでしょう。