ロボット
もう免許は不要!?迫る完全自動運転の車、そのレベルとは?

2015年10月14日、三菱電機が「レベル3」の自動運転を行う自動車を、2020年以降に実用化すると発表し、自動車業界を湧かせました。
乗ったら目的地を指示するだけで、あとは寝てる間に車が勝手に走ってくれる。そんなSF映画の中だけだった世界が、少しずつ現実に近づいてきたのです。運転の苦手な方だけでなく、高齢者や障害のある方などにとっては、実に嬉しい吉報です。
さて、ここで気になるのが「レベル3」という表記です。これがいったいどのような物か、詳しくご説明致しましょう。
自動運転の段階
そのレベルですが、これは米国運輸省の国家道路交通安全局(NHTSA)が定義した、自動運転システムの段階を示したものです。
レベル0~4までの5段階に分かれており、内容は下記の通りです。
- レベル0:コンピューターによる運転支援なし。
- レベル1:1種類の運転支援システムを搭載している。
- レベル2:2種類以上の運転支援システムを搭載している。
- レベル3:条件付き自動運転システム。
- レベル4:完全自動運転システム。
レベル0はドライバーが全て操作する、従来の自動車です。レベル4が皆様の想像するような、行先を決めただけて勝手に走ってくれる、本当の意味での自動運転です。
ちょっと分りづらいのが、レベル1~3なので、これを個別に説明していきましょう。
普及済み・レベル1
まずレベル1、「1種類の運転支援システム」ですが、これは「横滑り防止機能」や「自動ブレーキシステム」の事で、既に多くの自動車に搭載されており、その機能を体感した方も多いことでしょう。
自動運転と言うよりも、安全運転をサポートするシステムと思って下さい。
一部で採用・レベル2
次にレベル2、「2種類以上の運転支援システム」ですが、これもクルーズコントロールシステムとして実現しています。
クルーズコントロールシステムとは、ドライバーが設定した速度を自動で維持してくれる機能で、アクセルペダルの操作回数が減り、運転を楽にしてくれます。
頻繁に発進と停止を繰り返す、普通道路では使いませんが、高速道路で長旅をする人には必須のシステムと化しています。
ちなみに、クルーズコントロールシステムがどうしてレベル2なのかと言うと、加速と減速という2つの動作を、自動で行ってくれるからです。
今最も研究が白熱・レベル3
そしてレベル3、「条件付き自動運転システム」ですが、文字通り一定の条件下ながら、運転を車がしてくれる、ドライバーがハンドルを放しても動く、まさに自動運転(オートパイロット)と呼ぶべき機能です。
その条件下とは何か、具体的に言うと「高速道路や駐車場」での走行です。
一般道と違い、高速道路は信号で止まる事がありませんし、通行人が急に飛び出してきたりもしないので、複雑な判断がいらず、現在の人工知能でも十分に対応できるからです。
また、駐車場に関しては、ドライバーは駐車場の入り口で降り、後は車が勝手に空きスペースへ行き、帰る時は入り口まで車を呼び出して乗る、という使い方が想定されています。
これが実現すれば、駐車場内は完全無人になりますので、事故の心配がありませんし、空きスペースを探して走り回る手間もなくなります。
冒頭で紹介した三菱以外にも、沢山の自動車会社がこのレベル3自動運転を実用化すべく、鎬を削り合っています。面白い所では検索エンジンの最大手「Google」も、自動運転システムの開発に乗り出しており、既に完全自動「レベル4」の試験車まで作り出しているのです。
まとめ
レベル0~2は既に現実となり、レベル3~4もゴールが見えてきた、自動運転システムの開発。
「人や馬の力が必要ない、自分の力で動く車」という意味で生まれた「自動車」という単語。それが「自動で走る車」という意味に変わるのも、そう遠くない未来の事なのかもしれません。
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2016年 3月 03日トラックバック:発明屋
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